新茶の季節、ロンジン茶を味わおう!
4月に入り、上海もやっと暖かくなってきましたね。この時期にお茶屋さんやお茶市場へ行くと緑茶のいい香りがお店から漂ってきます。
中国のお茶といえば烏龍茶(乌龙茶:wū lóng chá )が有名ですが、ここ上海では日本同様緑茶(绿茶:lǜ chá)を飲む習慣があるんです。というのも、浙江省(浙江省:zhè jiāng shěng )、江蘇省(江苏省:jiāng sū shěng)では緑茶の栽培が盛んで、特に有名なのがロンジン茶(龙井:lóng jǐng)です。ロンジン茶の中でも杭州(杭州:Háng zhōu)の西湖(西湖:xī hú)付近で採れる西湖龙井:xī hú lóng jǐngは、中国十代名茶(中国十大名茶:Zhōng guó shí dà míng chá)の一つとされています。
また、ロンジン茶は歴史も古く、唐(唐代:Táng dài)の時代まで遡り、お茶の神様と言われる陸羽(陆羽:Lù Yǔ )の有名な著書《茶経》(茶经:chá jīng)にも記されています。宋(宋代:Sòng dài )の時代からその名が中国全土に広がり、一般家庭から帝への貢物まで幅広く親しまれてきました。
一口に緑茶、といっても日本とは見た目が全く違いますのでご注意を。中国の緑茶はお茶の葉をそのまま乾燥させ、優しく揉むことで甘みを引き出し、最後に大きな鍋で炒って乾燥させます。出来上がった緑茶はお茶の葉そのもの、高さのあるガラスのコップにお茶の葉を入れてお湯を勢いよく注ぎ込むとまるで緑茶が踊っているようにコップの中を泳ぎ、爽やかな良い香りがしてきます。コップの中のお茶の葉が沈んだらゆっくりと味わっていきます。日本のように急須に入れてから湯呑に注いで飲むようなことはしないんですよ。
緑茶は殺菌、利尿作用が高いとされています。また、体の熱をとる(寒性:hán xìng)作用があると言われていますが、胃腸の弱い方は空腹時の摂取は控えたほうが良いとも言われています。他にも、アンチエイジング、疲労回復、動脈硬化防止にもなる、と言われていますが、過度の摂取は控えましょう。
また、江蘇省蘇州市、太湖(太湖:tài hú ) の東洞庭山(东洞庭山:dōng dòng tíng shān)一体で採れる緑茶(碧螺春:bì luó chūn)も中国十代名茶に数えられています。
ぜひ、ロンジン茶の本場、杭州に足を運んで素敵な緑茶タイムを過ごしてみてはいかがでしょうか。